2019年05月09日

令和元年5月22日施行の電気通信番号の制度改正

親記事: 「電気通信番号関係の制度改正」で Twilio はどうなるのか

概要

総務省による電気通信番号制度の概要ページにある、平成30年5月23日に公布された「電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律(平成30年法律第24号)」による電気通信事業法の改正とその関連を指すと思われる。 ちなみにこの法律改正、公的機関がネットワーク機器に侵入を試みていいとする例のアレも含まれる。

概要がスライドにまとまっているので見てみると、電話サービスについてプロバイダ側の手続きや通話品質の確保について明文化されるもののよう。

その中でもユーザー側に影響があるのが「地理的識別性等の確保に関する条件」。 固定電話番号を使う転送サービスの契約締結時に下記の確認が求められる。

  1. 利用者の本人特定事項(氏名・住居等) *犯罪収益移転防止法に準じて定める方法による
  2. 利用者の活動の拠点が、番号区画の区域内にあること
  3. 固定端末系伝送路設備の一端が、利用者の活動の 拠点に設置されていること

(2)は使いたい市外局番の地域に拠点を持っているか、(3)は物理的に固定電話回線をひいているかどうか。これはハードル高い。どちらも持ってない or 持てないから転送サービス申し込むんだよなぁ。

固定電話番号を使用する電話転送役務に関する条件
電気通信番号関係の制度改正について(2019年4月12日時点)PDF P17

本人確認の具体的な方法

犯罪収益移転防止法に準じて定める方法電気通信番号計画の別表第4(リンク先PDFではP48)。銀行の口座開設を思い浮かべるといい。直接提示を受ける以外には、例えば下記の方法が示されている。

  • 証明書の住所宛に転送不要の書留を送る
  • 本人限定受取郵便を送る
  • それ専用のソフト・アプリを使って、本人確認書類と顔写真を撮影、送信させる
  • 撮影した顔写真と ICチップを搭載した本人確認書類 内の情報を送信させる

非対面取引、つまりネット専業銀行、クレジットカードのウェブ申し込み、PayPalなどで書留が来るのはこういう理由。

答申の内容

どういう経緯で決まったのか、固定電話番号を利用する転送電話サービスの在り方 にリンクされている PDF を見てみる

答申

別紙1 PDF 「3. 固定電話に係る地理的識別性及び社会的信頼性の確保の在り方」(P7〜11)

  • 固定電話は他の電話番号より信用を得やすいという意識がある
  • アンケート結果では地域外に転送されるのは問題であるというのが66%。(うち半数以上が固定電話の転送自体が問題と回答)
  • 固定電話番号からの転送はこの信頼性にフリーライド(ただ乗り)している
  • やがて固定番号の大半が転送サービスになったら信頼性なくなる

発信・受信についてはそれぞれ意見があって、

  • 留守電や取り逃しを防げるから受信転送はいいんじゃないか
  • 一時的に転送するならいいけど、その市外局番の土地にまったく基盤がない者が常用するのはいかがなものか
  • 発信転送は(担当者の個人携帯からかけても)、一般消費者が知っている会社の番号を知らせることができるというケースではメリットがある
  • 逆に個人向けでは明確なニーズがなく、むしろ不適正な利用の温床となり一般の不利益となる可能性がある

発信転送は個人向けでも携帯教えたくないから代わりに固定教えたあとのコールバックってありだと思うんだがなぁ。特に非通知受け付けない割に携帯番号収集したがる企業宛の問い合わせとか。

パブリックコメントとそれに対する考え

別紙2 PDF別紙3 PDF

地理的〜に反対しているのはこのあたり。

  • 意見12: PBXをデータセンターに置くケースもあるし、クラウド PBXや顧客の設備(回線以外の?)も拠点としてみなすというふうに緩和できないか。
  • 意見13: クラウドベースの通信プロバイダにとって、固定回線必須とされると競争力が削がれるからやめてよう。
  • 意見15: 物理回線必須って…携帯電話網で固定電話サービスを展開してる事業者死ぬじゃん?
  • 意見20: 中小企業にとっては固定回線を別途導入するのは負担で、クラウド化は大企業にしかできなくなる。実際に訪問するなどして実在確認をしっかりするから物理回線必須はやめてほしい。 でもその実在確認するプロバイダはキツいと思うぞ

返答は答申の内容を繰り返す形。フリーライドと中長期的な信頼度の低下がキーワードっぽい。

固定拠点に人を常駐できない規模の法人は固定回線引くのも辛いんじゃないかと思うけど、そういうとこはおとなしく050転送でということか。市外局番信仰も変わっていくのかもしれない。

影響を受けたサービス

市外局番を持てることを売りにしている、それ全振りのサービスは死ぬ。
あおりを受けたり早々に死んでしまったサービスを供養のため置いておきます。

Twilio と似た系列では 03 のみ停止、050 や 0120 は継続というパターンも。

2019年3月開始するサービスも。身分証明書必須 + 市外局番が同じ地域に限って申し込み可能とすることで問題を回避している?法人NGと明記してるのも何かありそう。

付記: メディアでの報道

答申のあった2018年7月ごろのほうが大きく取り上げられている。やはり発信元の“偽装”が主題のよう。

2019年6月に、電話番号の再販を規制するための“包囲網”ができつつあるという風潮の記事が。おそらく今回の改正で集めた個人情報からたどっていくんだろう。

なんかあったら追記する。

posted by かぷらす at 08:00| Comment(0) | 調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください