Lubuntu 20.04 Focal Fossa に更新した。
世の中いろいろ大変そうだけど、特にスケジュールには変わりなかった。まあ、ほぼリモートワークだろうし。
更新
いつものように do-release-upgrade -d
。
システム領域空き容量3GBぐらいで強行しようとしたら中断してしまった。
アップグレードを中断しました。アップグレードには ‘/’ に空き領域が 3,127 M 必要です。’/’ の空き領域を少なくとも 653 M 確保してください。
データ置き場は別パーティションなので、こういうときに削除できるものはほとんどない。あとで入れ直すことにしてelasticsearchとJDKなどを消して5GB確保。
ダウンロードに2分、インストールに30分ほど。終わって不要なプリインストールアプリを消してみれば結局5GB空いたままだった。
Python 3がついにデフォルトに
クリーンインストールでは3が入る。アップグレードでは互換性の問題で自動では切り替わらず、パッケージ”python-is-python3”を入れる必要がある。シュールな名前だと思う。
試しに apt remove python2
とすると inkscape、getmail、 offlineimap が削除対象として出てきた。他に2に依存しているパッケージは、apt list --installed 'python-*'
から、特定のバージョンに依存していないもの(python-matplotlib-dataなど)を除くと次の通りだった。
- python-apt: ansible用に手動で入れたものの残骸
- python-imaplib2: offlineimapの依存
python-apt の方はローカルpipに入っているのと、getmailも使っていないので消してよかった。
inkscapeは最新版ではすでに対応済みで、focalの次のgroovyには3を依存として入りそう。試してみようと思う。→Bug #1735363 “inkscape: Port to Python 3” : Bugs : inkscape package : Ubuntu
offlineimapはpython3がまだ実験的なので自前でビルドするしかない。あまりやる気がない。
Ruby が2.5から2.7に
普段の開発は ruby-install で適当なバージョンを入れているので大きな対応はしないが、Ruby 3でキーワード引数周りで大きな変更が控えているので対応が不十分なパッケージではログに警告が増えるはず。
nasne (SMB 1 のNAS)をマウントできない
ファイラ(LubuntuなのでPCManFM-Qt。UbuntuならNautiluse?)かCLIのgioでマウントしようとすると
$ gio mount -a smb://nasne-XXXXX/share1/
Failed to mount Windows share: Software caused connection abort
mount.cifs でバージョンを指定したときは問題ない。これはSamba 4.11でSMB1がデフォルト無効になったから。sambaの設定ファイルを作成して指定。
# /etc/samba/smb.conf
client min protocol = NT1
で、マウントしたらしたでファイルがディレクトリとして表示されるようになった。そのディレクトリアイコンをダブルクリックすると「No such file or directory」。SAMBAライブラリ自体のバグらしく、UbuntuではPPAでテスト用に修正版が配布されている。(PPAは排斥されてると思ってたけど使っていいんだ)
- Bug #1872476 “Shared files are shown as folders” : Bugs : samba package : Ubuntu - Ubuntu #15にPPAへのリンク
- 1801442 – samba network share is showing files as folders in Nautiluse after recent samba update - Redhat
- Bug 14101 – smbc_stat() doesn’t return the correct st_mode and also the uid/gid is not filled (SMBv1) - SAMBA
Sambaの一番の使いみちは音楽ファイル置き場だが、Rhythmbox はなぜかちゃんとファイルとして見てくれて困らないのでaptでの更新を待つ…つもりが二番目に使っているデータベースサーバーのストレージ(mount.cifs の方)もディレクトリとして表示されてしまうようになった。マウントするごとにコロコロと状態が変わる、非常に不安定な感じ。テスター泣かせの挙動でパッケージ更新に時間がかかりそうな気がするのでPPAを試す。
sudo add-apt-repository ppa:sergiodj/samba-bug1872476-v2
sudo apt-get update
sudo apt upgrade
再起動、マウント。あっさり治る。
QTerminal
これまではターミナルをLubuntuデフォルトのQTerminalではなくxfce4-terminalを使っていた。理由はCosmicのときにも書いたが:
- ログインシェルじゃない - Option to start shell as login shell · Issue #103 · lxqt/qterminal · GitHub
- 新規タブを必ずホームディレクトリで開く設定がない
- Ambiguous Width 文字が崩れる (全角記号が半角幅で扱われて表示が寸詰まりになる)
カレントディレクトリの設定もできるようになって、なによりAmbiguous width問題が治っているようなので乗り換えてみる。
ファンクションキーが効かず (F1 が^[[[A
、F2が^[[[B
になる) neomuttでのキーバインドが働かなかったが、設定でターミナルのエミュレーションを default にしたら治った。
その他
GNOMEが更新されてロックスクリーンがおしゃれになったりダークモードが入ったのはUbuntuの方なので、Lubuntuでは今回は目立った差はない感じ。
- LxQtの更新情報はどんなだったかなと思ったが、そういえばサイトが落ちてるんだった。
- xscreensaver のロック解除ダイアログが濃紺の背景に紺文字でめちゃ見づらい。設定ファイルでなんとかできそうなので後で調べる
- 更新可能なパッケージがあった場合にダイアログでお知らせしてくれるようになった。(lubuntu-update-notifier)
さっそくGUIでログインした回数だけダイアログが増殖するバグ。報告したので俺も俺もという人は投票かパッチを。 - snap が幅を利かせ始めた。個人的にはセキュリティ管理が強すぎてfcitxやNASがまともに動かずに apt や自前ビルドに走らざるを得ないので早くなんとかなってほしい。HNでも snapificationに辟易としている意見 があり、レスは「Debian使ったらどうかな?」。
ところで Fossa は辞書の第一義が「くぼみ、窩」、フォッサマグナに使われているあの意味でおやっと思ったが別項でちゃんと動物の意味もあった。マダガスカルマングース科、マダガスカルでは最大の肉食獣で、画像を見るとたしかにマングースみたいなつるっとした顔立ち。日本では上野動物園にいるようだ。