2020年06月26日

「お前がラフな格好でええからって…」の元ネタ

boketeの名作「お前が『ラフな格好でええから』って言うたんちゃうんか!」。この画像の元ネタ(出典)を調べていたら、ステンドグラス自体にも元ネタがあったという話。

ステンドグラス

bokete のお題になっていたのはステンドグラス。これはスイスのベルン大聖堂(Berner Münster)にある。

モチーフは「死の舞踏」。擬人化された骸骨が踊ったり行進している様子を描くもので、世界史か美術の授業で習った人も多いはず。 このステンドグラスは20の場面が描かれた大作で全体像はこちら。「お前が〜」は右列4段目。

日本語版Wikipediaの「死の舞踏」記事にも一部分の写真が載っている。

元絵

アルブレヒト・カウヴによる水彩模写
Sailko (cropped) / CC BY

実はこのステンドグラスには元になった絵が存在する。

作者はニクラウス・マヌエル=ドイチュ(Wikipedia 英語版)。 1516〜1519年にかけて、同じベルンのドミニコ会修道院教会(Dominikanerkirche)の墓地を囲む壁に描かれた。80m近くある長大なフレスコ画であったらしい。死者と生者の場面は41点、前後には聖書の一場面や、骸骨による楽器演奏などもあり、生者の列の最後には画家自身も描かれている。

1649年、アルブレヒト・カウヴ(Albrecht Kauw)が水彩模写。これは現在ベルン歴史博物館が所蔵している。

教会はその後別の修道会に渡り「Französische Kirche」(フランス教会?)と呼ばれるようになったが、壁画は1660年ごろに道路拡張工事のため、壁とともに取り壊されてしまった。そのため現在ではカウヴの模写しか存在しない。

ステンドグラスになったのは20世紀初頭。 Eduard von Rodt によるという記述があったがこの人物は建築家らしく、自身が制作したのではなく指揮を取っただけかもしれない。ステンドグラスの方の歴史についてはネット上には情報が少ないか、あってもドイツ語の記事ばかりでよくわからない。

描かれているおっさん

この作品にはそれぞれの場面ごとにスポンサーがついていて、中にはスポンサー自身が生者のモデルになっているものもある。

件の場面に描かれているのは教会法学者。 スポンサーはベルンの商人・銀行家の Bartholomäus May、読みはバルトロメウス・マイでいいんだろうか。 Wikipedia ドイツ語版によれば軍事上の代表者・政治家とされており、かなりの有力者だったようだ。ちなみにこの記事には死の舞踏の絵も添えられている。

神学問題に関心を持っていたためこの「教会法学者」に寄進したらしい。

参考

posted by かぷらす at 21:06| Comment(0) | 調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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